地球上のすべての生き物から、ひとつの命を引く

110穣分の1

「80億分の1」は、ヒトに生まれることが前提のくじです。ここではその前提を外します。地下の岩の中の細菌から、海を漂うカイアシ類、イワシ、スズメ、クジラ、ヒトまで。地球にいるすべての命の中から、あなたの次の一生を1つだけ引き、最後まで生きてみます。何に生まれるかは選べません。

0このページを開いてから、地球で生まれた命(推計)
0そのうちヒト
命の選び方
「生きている数」は個体数に比例。「生まれる数」は出生数に比例するので、卵を大量に産む生き物や、すぐ分裂する微生物が増えます。
すべての生物から引くと、ほぼ確実に細菌になります。それが地球の実際の内訳です。
ひとつの一生の長さ
その生き物がおとなまで育って寿命を迎えるまでを、この長さに縮めます。早く死ねば、それだけ早く終わります。
重い出来事(捕食・病気・と畜など)も、統計どおりに起こります。場面は描きません。
前世の記録

これまでの一生

ヒトに生まれる確率

「80億分の1」の前に、もうひとつのくじがある

同じ数え方でも、どの範囲から引くかで確率は何十桁も変わります。いまの選び方:

くじの中身

地球の命の内訳

棒の長さは対数(1目盛りで10倍)。右の数字は、その生き物に生まれる確率です。下の帯は同じ内訳を普通の比率で並べたもので、ほとんどが微生物で埋まります。

細菌・アーキア原生生物無脊椎動物野生の脊椎動物家畜・家禽・養殖植物ヒト
命の長さ

ランダムに生まれた命は、どれくらい生きるか

いまの設定で2万回生まれ直したときの、一生の長さの分布です(横軸は対数)。分裂した微生物は、分裂した時点を一生の終わりとしています。

生存曲線

同じ瞬間に生まれた仲間は、いつまで残るか

縦軸も対数です。ヒトの線はほぼ水平のまま80年を越えますが、魚や昆虫の線は生まれて数日で100分の1、1万分の1へと落ちていきます。

なぜこんなに死ぬのか

数が変わらないなら、子は平均2匹しか残らない

ある生き物の数が長い目で見て増えも減りもしないなら、つがい1組(2匹)が一生のうちに残す子のうち、おとなになるのは平均2匹だけです。だから卵を100万個産む魚では、おとなになれる確率は約50万分の1になります。

おとなになれる確率 ≈ 2 ÷(メス1匹が一生に産む子の数)
どうやって数えたか

計算のしくみ

いま生きている数で選ぶ論文や統計の推計個体数 N に比例して引きます。80億分の1の「人口で選ぶ」に当たります。
1年に生まれる数で選ぶ出生数は「リトルの法則」で出しています。数が安定していれば、1年の出生数 = 個体数 ÷ 平均寿命。ヒトだけは国連の実測値(年1.32億人)を使っています。
一生のシミュレーション卵・幼生・成体などの段階ごとに「次へ進める確率」と期間を置き、死んだ段階に応じて死因を引きます。段階の数字は文献の値と、上の「2匹の法則」が成り立つように合わせた推計です。
微生物の「一生」細菌は分裂すると2つになるので、分裂した時点で一生の終わりとしています。数が安定していれば、分裂までたどり着けるのはちょうど半分(50%)です。
不確かさ細菌の総数ですら推計には数倍の幅があり、両生類・爬虫類・草のように全球の調査がないものは桁の推計です。下の表に幅と出典を載せています。
数えなかったものウイルス(約10³¹個。生物に含めるかは議論が分かれる)、キノコやカビ(1個体の境目が決められない。最大のナラタケは約9km²に広がる1個体)、サンゴの群体など。
データ

全種類のデータと出典

個体数の幅(下限〜上限)はこのページで使った目安です。「推計」「仮定」とある数字は、論文の値そのものではありません。